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親が子どもの教育資金を支払うのは贈与税の対象になるのでしょうか。

質問者: 60代 女性 大阪府在住

子どもが大学に通うのに奨学金を借りていました。
就職して、2年目で自分で返済しているのですが、夫が定年退職したので退職金が入り、一括で返済をしようと子どもに連絡を取ったところ、子どもから、「それは贈与税になるのではないか?」と質問されました。

親が子どもの教育資金を支払うのは贈与税の対象になるのでしょうか。

奨学金の団体に連絡を取ったようですが、あくまで子ども本人が借りているので、子どもの名義でしか返済ができないようです。

子ども自身は、毎年110万円ずつ贈与してもらって、その範囲内で繰り上げ返済できれば良いと言っていますが、他に良い方法がないかと思い、質問させてもらいました。

よろしくお願い致します。

ファイナンシャルプランナーからのアドバイス

こんにちは、あさくらFP総合事務所 山崎です。

お訪ねの件ですが、「子ども自身は、毎年110万円ずつ贈与してもらって、その範囲内で繰り上げ返済できれば良いと言っていますが、他に良い方法・・・」として、相続税には、110万円の贈与(専門用語で『暦年課税(れきねんかぜい)』と相続時精算課税という方法がります。

今回の相談事案では、相続時精算課税を利用してみてはいかがかと思います。相続時精算課税では、質問者の方(以下甲さんとします)と子供さん(以下乙さんとします)の間で、相続時精算課税で贈与税の申告をすると甲と乙が共に生存している間、2500万円まで贈与税なしで贈与できる制度です。(それ以上は20%の贈与税がかかる)

仮に、奨学金が500万円だとすると、翌年以降は、残額の2000万円まではさらに贈与できます(回数制限なし)
ただし、一度『相続時精算課税』を使うと甲乙の間では『暦年課税』は利用できなくなりますので、110万円以下の贈与だとしても必ず贈与税の申告をする必要があります。(甲が、他の子供(丙さん)に贈与する場合は暦年課税はつかえますし、丙にも相続時精算課税を利用して2500万円贈与もできます。)

なお、甲さんは60才女性なので、大丈夫ですが、もし乙・丙さんが未成年であれば成人してから相続時精算課税を利用してください。(未成年では利用できません)、また、乙・丙の子供(甲さんからみて孫)にも利用できます。

この相続時精算課税を利用した場合、甲さんが亡くなった後に相続税の申告で贈与した財産を、残した遺産に加算して相続税を計算しますので、遺産がほとんど残って無ければ、結論として2500万の贈与が非課税でうけとれた計算になります。(基礎控除が3000万円の現行制度が存続していると仮定して)

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